2009年4月3日掲載
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- 2年間もほったらかしにされるホームページなんて、意味がない(大笑)。でもしかし。いちどは陽の目を見たわけだから---ということで、久しぶりの更新。乞許! 以下は、ほぼ時系列のご紹介。
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- 「百貨店統合戦略の考え方と取り組み」に取り組んだ。しかし、旧態の負を省みず、変なイニシアティブ合戦に終止する気配では、手がない。これが、率直な実感。
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- 関連して、「フラッグシップ施設の事例研究」も実施。ナイキ、REI、リーバイスほか、おもに1990年代に展開された有為な事例には、いまだ学ぶべきアングルが多々ある。そのコンセプト、戦略背景、特徴などに。
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- かつての流儀を覆しつつ、実践されるべき「未来研究」とは、どういうものか? 新機軸を求めて、“パイロット・インタビュー”を実施。いずれにせよ“決定不能”ではあるのだが。
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- 「商品魅力の新創造活動提案」では、小手先策の無力さを実感。やはりビジネスには、根底から企てる想いと、貫く意思が不可欠なのだ。ちなみにビジネスの語源は、“努力してみせる”こと。ニュアンスとしては、素直ではある。
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- 「流通業界の動向と戦略課題仮説」プロジェクトでは、まさに“ロングテール”認識をどう実体化してみせるかが鍵、という結論を得た。脈々たる実践事例は、確実に明日をうかがっている。
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- メーカーとリテーラーの“相互不感症”について学び知ったのが、「リテール・マーケの新展開」調査。字面だけなら、あまたの“アクション・プログラム”を描けるのだけれど、なかなか“仕事化”には行き着けない。
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- あわせて、「リテール動向の変遷」を再調査。1995年から08年に立ち至る欧米の試行錯誤は、追ってみるに意味ある作業だ。
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- 私たちの土台たる「TREND研究」作業は、まあ、すこぶる楽しい。インターネットのおかげで、ウォッチすべき地域と領域はしんどいほど多岐に渡るけれど。陽の目を見る直前の、種ないしは苗床に潜む含意を紐解くことが妙味だ。
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- 今年は、久しぶりに海外の島に調査に行く予定。そのために、「海外離島文献調査」を実施した。新しい秩序を胚胎させる実験フィールドが島なのだと、実感しきり。
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- 「アンビエント社会研究」から、新年度を始動させる。
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- 「ビズ研」は、クラス・マガジン、音楽CD、テレビ、書籍出版、デジタル・ラジオ、フリぺ---などメディア系の明日、化粧品やスーパーで広がる“自然派”の可能性、サッカーJ1のビズモデル---などを、引き続き連闘。
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- 「マーケット・フォーカス研」「ビズ・リテラシー研」では、トレンド分析素材を駆使しつつ、胎動するビズ動向の“考え方”にこだわって時代相を読み解き中。
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- 真剣に書き続けている「USAウォッチング」は、連載11年目に突入。“世界の崩壊”を導きつつある国から何を読み解くのか? 自問する日々だけれど、アングルは、フランツ・カフカ流儀だ。つまり時の流れの襞をパッチワークするのみ。
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- 「潮流」の連載も8年度目に入った。これは、国内目線7割、国際目線3割のトレンド・コラム。月刊で、毎号2~3項を書いてきたから、積み重ねてきた軌跡は、膨大。
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- 静岡暖快倶楽部の、季刊誌「十人十色」では「団塊を読み解く」を、ブログの「つぶやき」では“超極私的団塊論”を、悪戦苦闘中。
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- 「時代を引っ張る新語」は、全12回で完結した。
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- 静岡「地域シゴトの学校」では、毎年交替する生徒諸氏と「発想法」を切り結ぶ。元祖の「ヒューマン・カレッジ」から数えると、もう15年近く通い続けている。
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- 同じく暖快倶楽部の「本音トーク」では、満井義政氏と「若さと老い」、安奈淳さんと「生きざま」、辻信一氏とは「なまける生き方」について、挑発的に語り合った。
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- 「リアルエステート・ビズの明日」「世界のニュービズを読み解く」---などは、ビズ問答。
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- 毎年11月末に行われる島々の集い「アイランダー」では、「島サミット」の行司役を務める。日本中から駆けつける島の人びとと、しみじみ再会するのが何より。
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- 一橋大学の「如水ゼミ」で学生諸氏と、「若者とクルマ論」を交えた記憶は、新しい。
乙女ロード探訪
オフィスのご近所、東池袋「乙女ロード」。 長期の休みともなれば、全国津々浦々から腐女子(女オタクとも呼ばれる)の皆さんが、キャリーをゴロゴロしながら押しかける地であります。なぜ全国と分かるかというと、ゴスロリ系ファッションのかわゆい娘さんたちの会話が、多彩な地域言葉やイントネーションだったりするからです。
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- さて。まずは老舗の「アニメイト」。サンシャイン60の目の前にある、敷地面積に比べて縦に長い、9階建てのビルがそれです。なつかしや・・・2000年のリニューアル前から遡ること○○年前、筆者も『聖士星矢』 グッズを買いに来たものでした。当時に比べて老若男女、おひとりさま、同性グループ、男女グループ、カップルなど、多種多様な来店客で賑わっているのは、 言うまでもないでしょう。店内は、素人のワタクシには理解不能な分類で商品が陳列され、雑多な雰囲気を醸し出しています。1階レジ付近に、「巨人の飴」(伝説のスポ根漫画『巨人の星』 のキャンデー)が! いやはや。BL(ボーイズラブ)コーナーに20代男性、青年向け書籍やフィギュアコーナーに制服姿の少女など、性差・年齢・ジャンルに関係なく楽しまれて いるのが、印象的。R18同人誌を手に取る勇気はなく・・・ヘタレっぷりを取材始めから披露してしまいましたよ。
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- 首都高速5号線を超えて「Cat Cafe ねころび」 へ。入店したらハンドウォッシュ&アルコール消毒がお約束です。その日の猫さんは10匹、平日の夕方という中途半端な時間からか、2匹を残してほとんどの猫さんがお昼寝していました。見ているだけで、眠くなる・・・。来店客の腐女子たちは、おっとりと猫さんを見守る風情で、にゃご(和)みの時空間。いっぽうで一眼レフカメラ持参の腐兄は、美猫・きなこさん(♀)を激写!
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- オフィスから徒歩15秒の「執事喫茶 Swallowtail」は、開館三周年を迎えたそうです。それでもほとんど満席状態で、インターネット予約も一苦労するほどの大人気。黒髪オールバックのドアマンは、フロックコートにシルバーのメガネ&チェーンがクール!入る前からノックアウトされました。「それでは、ドアの前でお待ち下さい」って、なんだかテーマパークのアトラクションみたい。じっさいにテーマ(あるいはシチュエーション)カフェなのですが。来館客は20~30代の女性が多く、母娘、外国人観光客、カップルも。ジャニ系から30代目つきの鋭いホテルマン風まで様々な執事さんたちの、スマートかつプロフェッショナルな饗応に、いたっておごそかな佇まいで浸っているご様子。ハードリピーターと見られる女性は、執事さんたちのおシゴトを邪魔しないよう、親しげでありつつ、遠慮がちに一言二言の会話を楽しんでいるようでした。ちなみに、三周年記念特別メニュー「マダム・バタフライ」(三段重+ケーキ&アイス+ティーポット、アロマキャンドル付)で4200円也。見た目・お味・演出、すべてが美味しゅうございました。
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- 杉浦由美子は『腐女子化する世界―東池袋のオタク女子たち』(06年・中公新書)で、腐女子化を「“生きにくい”時代における客観的で健全な逃避であり、その対処スキルの向上」と定義しています。私が接した腐女子は、非常に礼儀正しく節度のある、はにかみ屋さんが多いような印象を受けました。男オタクのような、排他的な雰囲気や“のめり込み”感が、まったく感じられません。マンガ世界の設えで、執事コスチュームをバッチリ決め、美しい執事語を話し、丁寧かつジェントルな接遇をしてくれる執事喫茶であっても、一線を置いて自分すらその演出空間の一部とみなしているような・・・。「Swallowtail」は、インターネットやメールを利用した予約の手続き、キャンセル料の発生、“ご帰宅(来館)~お見送り”までの流れ、ケータイ禁止など、約束事や制約の多い店と言えます。洗練された店内の演出がほどよい緊張感を与えること、予定調和の世界観がかえって彼女たちに居心地の良さをもたらすのかもしれません。
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- 「乙女ロード」周辺は、独自のテーマやシチュエーションを軸にしたリテールが百花繚乱!学園風カフェバー「サマー学園 class Seraphim」が池袋北口にオープン、スタッフが乙女ロードにご出張してティッシュ配り。美女の男子学生姿に、萌え萌えっとキマす~。また、病院系カフェ&バー「プラシーボ プラス」は、正統派病院をコンセプトにヘルシーメニューを展開。健康診断までしてくれるところが本格的ですね。「精神的ブラクラ喫茶 雲雀亭」とのコラボもあり、女装・男装・○○装・・・“装う”リテールは増加傾向。カフェ業態によるサードプレイス(第三の場所)、ビーイングスペース(何をする場かは個客次第)は、ロングテールの広がりと共に、「乙女ロード」を拠点として、今後も多彩な広がりを見せていくことでしょう。